キレてます(人事コンサルの日常など)

経営コンサルタント各務晶久が日々の雑感、ノウハウなんかを綴ります

「衣食住游学足」という仕事で使えるフレームワーク

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仕事の段取りで、上司から「もっと想像力を働かせろ」と注意を受け悩んでいる人、「衣食住游学足」(いしょくじゅうゆうがくそく)というフレームワークを使ってみてはどうだろう。


5W1H(または2H)「なぜ、いつ、どこで、なにを、どれだけ、どのように」というフレームワークで仕事の段取りを考える人は多いだろう。


しかし、どうしてもいろんなことが抜け落ちる。

特に、What(なにを)を考える際、自分の想像力をいくら働かせても、経験のないことをゼロから想像するのは難しいものだ。

このときに使えるフレームワークの一つが、私がこっそり愛用してきた「衣食住游学足」だ。特にイベントごとでは絶大な効果を発揮する。

 

例えば、花見(最近はやらないと思うけど・・・)の幹事を初めて任されたとする。この時、「衣食住游学足」を使ってみると、芋づる式にいろんな段取りを想像できるだろう。

「衣」は服や布を指すので、敷物は当然のこと、「花冷えのころだから女性向けのブランケットも必要だな」とか、「そういえば歴代幹事はハッピを着ていたな」とか、「変なハチマキやタスキをしていたな」とかチェックできるだろう。

「食」は当然食べ物のことで、花見の席では話題の中心だからここでは深くは触れない。

「住」は会場のことだ。大規模な花見ならテントが必要だろうし、小規模でもどこに陣を引くのか、どの程度の大きさか、日よけや急な雨の場合はどうするかを考えることになる。

「遊」については、余興は?子供連れが多い場合は子供の遊び場は?盛り上げるための席次は?司会は?進行は?といったことが連想できるだろう。

「学」は「知る・記憶する」から連想することをチェックする。参加者への周知(皆が知る)をどうするか、去年まではどうしていたか(自分が知る)、事後に皆へ写真を配って楽しい思い出として記憶してもらうなどがこれに当たるだろう。社内報、SNS、WEBサイトへの掲載も含まれるだろう。

「足」はアクセスやデリバリーを指す。集合場所、最寄り駅からの地図、偉い人が参加する場合の車の手配、準備物の運搬方法や駐車場所等々、「足」から連想することを段取りしておく。

 

この「衣食住游学足」というフレームワークは慣れてくると非常に使い勝手が実に良い。なぜなら、これこそ「人の営み」そのものだからだ。


私は20台前半でこのフレームワークを思い付き、仕事の段取りに活かしたところ、鬼のように厳しく、人をまったく褒めない上司から、「お前は『創造力』はまだまだだが、『想像力』はそこそこだ。それを生かすようもう少しマジメに仕事に取り組め」と言われるようになった(これで最大限の褒め言葉だったのだ)。


若いうちは誰でも経験量が少ないので、どうしても想像力に乏しいものだ。それが理由で上司から叱られるのも仕方ない。だけど、繰り返し同じ注意をされると、成長しない自分に嫌気がさすだろう。

だから、自分に合うツールを自分で開発してみてはどうだろう。全くのオリジナルでなくてもいい、先人の知恵に一つ石を積み上げることが、やや大げさだが、人類の進歩の歴史なのだ。