キレてます(人事コンサルの日常など)

経営コンサルタント各務晶久が日々の雑感、ノウハウなんかを綴ります

月刊人事マネジメント寄稿記事)実例!人事のコンフリクトマネジメント3 上昇志向 VS 専門志向 (1/2)

月刊人事マネジメント2019年2月号に私が寄稿した記事の転載許可が下りたので、分割して紹介することにしたい。

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  実例!人事のコンフリクトマネジメント

  ~「価値観の対立」を越えて職場のダイバーシティを進めよう~

 事例3 上昇志向 VS 専門志向 

 日本企業ではこれまで社員に,企業へのロイヤリティを高めたり,企業内でのポジション上昇に関心を持たせたりする人事マネジメントを行ってきた。しかし,人材の流動化によって,外部の専門家社会に自分の軸足を置き,専門性獲得に強い関心を示す社員が増加している。このような社員は社内の役職に関心があるわけではなく,従来型の上昇志向を煽るマネジメント一辺倒では摩擦を生む。
 今回は,上昇志向を持つ社員と専門志向の強い社員との間で生じたコンフリクト事例を紹介する(人物名,企業名は仮称)。

              

問題シーン      忘年会の参加を拒否  

 中村純一さん(32歳)は, 1年前に東西食品株式会社に入社した。彼は大学卒業後,システム開発会社で,システムエンジニア(以下,SE)としての経験を積んだ。しかし,社内SEとして活躍したいとの思いから東西食品に転職し,情報システム室に配属された。

 SEとしての実務能力に加え,問題解決能力なども高く,中村さんは管理職候補として将来を嘱望されるようになっていた。

 日頃から飲み会や社内行事に関心を示さない中村さんに対し,「偉くなりたいなら社内の人脈づくりを大事にしろ」と水沼課長(53歳)はよく小言を言っていた。しかし,中村さんは一向に聞く気配がなく,課長は苦々しく思っていた。

 ある日,若手社員が忘年会の会費を徴収しようと中村さんに声をかけたところ,「私は参加しないので」と中村さんが言うのを聞き,水沼課長が別室に呼んで事情を聴いた。東西食品では,忘年会への不参加は,よほどの理由がない限り考えられないからだ。
 中村さんによれば,「ちょうど同じ日に所属している情報処理学会の忘年会があるので,会社の忘年会には参加できません」という。これを聞いた水沼課長は激怒し,「会社と学会のどっちが大事なんだ」と問い詰めたうえ,学会の忘年会をキャンセルして,会社の忘年会に必ず参加するよう厳しく言いつけた。
 中村さんは,その場では反論せずに水沼課長の説教を聞いていたが, 1 週間後,退職願を課長に提出した。

中村さんの視点 SEとして自立したい

 前職では開発したシステムを顧客に納品したら業務はそこで終わりだった。社内SEになりたかったのは,実際の仕事のなかで,システムがどう活用されているのかを知りたかったからだ。今後,SEを続けていくなかで欠かせない経験が積めると思ったからこそ,この会社に入社した。

  食品メーカーの中では,情報システム部門は主流の業務ではなく,傍流の業務だ。そんな部門の管理職になってキャリアを終わらせるつもりは毛頭なく,SEとしてどこでも通用するよう自分を高めていきたい。
 水沼課長は事あるごとに,「出世したいなら」と社内のウエットな付き合いを求めてくる。この会社に長くいたいわけではなく,「出世したい」とも思っていない。そ
れよりもSEの仲間に認められるほうが大事だ。最新情報や仕事の紹介も仲間から回ってくるからだ。
 同じSEのはずなのに,課長はそのことを理解しておらず,社内のどうでもよい付き合いを優先しろという。このような課長の下では,到底スキルアップできると思えない。

 

 

もう一方の水沼課長の視点はどのようなものだったのか?

このようなコンフリクトを防止するためにどのように人事が関与すべきだろうか?

詳しくは次回!

 

次回・・・実例3 上昇志向 VS 専門志向(2/2)