魔法の言葉「お急ぎですか?」
前回「上司はあなたのto doリストを作っているわけではない」=>こちら の続き
上司から「これやっておいて」と急に仕事を振られても、嫌な顔一つせず受けることで、キャパの大きさを誇示する人がいる。
あるいは、理解力の高さやレスポンスの良さを示そうと、あまり深く考えずに「はい、はい」とふたつ返事で引き受けてしまう人もいる。
いずれも上司に「反応」し、「反射」的に仕事を受けているといえる。
でも、「反応」「反射」だけで仕事を受けていても、上司は決してあなたの能力を高く評価してくれない。
それよりも、上司から軽い調子で「これやっておいて」と急な仕事を振られたときに、「お急ぎでしょうか?」とたった一言聞くだけで、状況は一変する。
「お急ぎでしょうか?」と聞かれた上司は、それこそ反射的に「この部下に今急ぎの仕事があっただろうか?」「何か無茶振りでもしたかな?」と身構え、緊張感を持つ。
自然と「他に急ぎの仕事はあるの?」と上司から質問されるので、「今、急ぎの仕事としては、これとこれを抱えていますが、そちらのほうがお急ぎですか?」と相談してみよう。
上司からすると、「はい、はい」と二つ返事で仕事を受ける部下は、「頼みやすい」部下だ。でも、ふたを開けてみれば、もっと急ぎの仕事を抱えていたり、キャパを超えてパンクしたりすると、「事前に相談してくれよ、まったく」と上司は頼りなく思う。
一方、しっかり考えながら仕事を引き受け、優先順位をその場で確認してくる部下は、上司から見れば頼もしいのだ。また、そういう部下は、上司から無茶振りをされない。
ただ、勘違いして欲しくないのだが、自分から仕事を断ったり、仕事を振られて嫌な顔をしたりしてはいけない。あくまで、上司の指示には前向きに応じる姿勢は示しつつ、手持ちのタスクの優先順位との兼ね合いを相談するのだ。
上司の無茶振りに振り回され、予定がめちゃくちゃになって困っている、そんな人はぜひ「お急ぎでしょうか?」という魔法の一言を使ってみてはどうだろうか。
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上司はあなたのto doリストを作っているわけではない
「締め切り前の仕事がいくつかあって、まったく余裕がない。それなのにいつものように軽い口調で『これやっておいて』と急ぎの仕事を振られた。この上司はバカなのか?」
こんな風に上司を恨みながら仕事をしている人は多いものだ。
マルチタスク型で仕事をしている場合、仕事の優先順位を台無しにするのが、上司からの飛び込み仕事だ。
物理的に今の自分にこなせるわけがないのに仕事を振られたり、さっきまでこっちが最優先といっていたのに、急に「あっちを急げ」と言われたり、上司の気まぐれに振り回され、悩んでいる人は多いことだろう。
ではいったい、なぜこのようなことが起こるのだろうか?
ちょっとショッキングな事実かも知れないが、それは上司があなたにどのような仕事を与えたのか覚えていないからだ。
さすがに大筋では、あなたが何に取り組んでいるかくらいは把握している。でも、今どれだけの仕事を抱えているのか、何が最優先なのかまで、上司はイチイチ覚えていない。
つまり、上司は自分の仕事のto doリストを作っていても、あなたのto doリストを作って管理しているわけではないのだ。
「そんな理不尽な!」と思うなら、逆にあなたは上司の仕事を把握しているだろうか?
たいていの人は上司が日々何をやっているか知らないと思う。
たった一人の上司の仕事さえわからないのに、複数の部下を抱える上司が、部下一人ひとりの日々のタスクや優先順位まで把握しきれるわけがない。
それを前提に上司と向き合って仕事をするほかない。
では、上司の無理難題はあきらめて受け入れるほかないのだろうか?
そんなことはない。あなたが仕事を受けるとき、ちょっとした工夫をすることで、上司をコントロールできるようになるのだ。
それは次回に・・・。
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時短術の本、本日脱稿!
いやーきつかった~
出版社からオファーをいただいて、若い人に向けた「時短術」の本をひそかに書いていた。
なんとかかんとか本日ようやく脱稿!
「本を読まない人にも届くようくだけた文章で」「上から目線ではなく、若い人に共感しながら」っていうオーダーが本当に難しくて、筆がまったく進まなかった(4冊目にして最大のスランプ)。
発売は10月頃かな?
ターゲットは20代のビジネスマン。
詳細が決まったら告知するので、ぜひお手に取ってご覧いただきたい。
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お好み焼きとサッカー型組織
「お好み焼きが死ぬほど食べたい!」と関西人なら誰しも思う日がある。だいたい3年に一回くらいそういう発作が起きるものだ。
「粉もの発作」と私は勝手に命名している。
で、私にもそういう日が来た。
オフィスの周りにお好み焼き屋さんがないか調べたら、少し歩いたところに「ねぎ焼き○○」という何店舗かチェーン展開している店があったので行ってみた。
本当はオーソドックスなお好み焼きが食べたかったので、「ねぎ焼きは微妙だなぁ」と思ったが、発作を抑えるために仕方なくその店に。
時刻は13時を少し回ったところ。
店の前の立て看板にランチメニューが載っている。
店に入るといきなり、女性店員に「白米がキレたのでランチ売り切れなんですがいいですか?」と聞かれた。
私は関西人だが、お好み焼きや焼きそばをおかずにご飯を食べる「炭水化物on炭水化物」が苦手だ。
だから、別に単品でもいいやと思って気軽に「良いですよ」と席に着いた。
渡されたメニューを見てビックリ。単品メニューがランチよりめちゃ高い。
・立て看板のランチ850円(ねぎ焼き、ごはん、味噌汁付き)
・メニューの単品1200円(ねぎ焼きのみ)
「あれ、ランチより高いの?」とさっきの女性店員に聞くと「そうなんです」の一言で終了。
いったん「良いですよ」と機嫌よく返事した手前、出るに出られずそのまま注文した。
が、やはり納得いかない。
店の都合で白米を切らしただけ。
同じ時間にランチを食っている客はいる。
私だけ、みそ汁も白米もなしで料金が高い・・・そんなバカな話があってたまるか!
結構歩いたし、お好み焼きが食べたいのにねぎ焼きで我慢しながら、ランチより高い金額を払わされたので、最悪のランチになった。
「二度と来るか!バカヤロー」と心の中で叫びながら店を後にした。
それでも、経営コンサルを長くやっていると、つい組織のマネジメントに思いをはせてしまう。
今回の対応で言えば、最低でも白米なしだけどランチ料金で提供するか、気が利いた対応ならランチ料金から白米分(たとえ10円でもOK)を引いて提供するのが正解のように思う。
それを現場判断でできるようにしておく必要があるだろう。
一人ひとりが臨機応変に対応できるサッカー型組織であるべきだ。
チェーン店だから仕方ないでは、客が離れてしまう。
トップの指示を厳格に仰ぐ野球型はチェーン店では馴染まない。
こんなことを考えながら食べたねぎ焼きは苦いだけだった。
昼飯は気分よく食べたいものだ。
↓今年7/12に拙著「職場の紛争学 実践コンフリクト」が朝日新書から発売されます!
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7月12日発売予定の拙著「職場の紛争学 実践コンフリクトマネジメント」の表紙・帯が出来上がりました
7月12日発売予定の拙著「職場の紛争学 実践コンフリクトマネジメント」の表紙・帯が出来上がりました!
帯には漫画風のイラストを入れていただいたので、楽しく、目を引きます!
※定価000円になっていますが、もう少し経ってから定価が決まるそうです。
予約も始まっています!よろしくお願いいたします!!
月刊人事マネジメント寄稿記事)実例!人事のコンフリクトマネジメント6 女性総合職 vs 男性上司 (2/2)
この連載をもとにした本が出版されます=>詳しくはこちら
前回の続き(実例6 女性総合職 vs 男性上司 の2回目)
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松本課長の視点 処遇と責任はワンセット
うちの課には 4 名の女性一般職が在籍している。彼女たちと浜田さんの給与格差は 2 倍近い。
当然,総合職を選択する以上,彼女たちより難易度が高い仕事を担い,重い成果責任を負う必要がある。復帰に際し,ある程度家庭の事情には配慮したつもりだ。し かし,一般職がいる前で,家庭の事情を持ち出されても耳を貸すわけにはいかない。うちの課には,家庭を優先するために総合職から一般職に転換した者もいるからだ。
宿泊出張といっても,年間数回程度だ。それくらいは総合職を選択した時点で覚悟すべきだろう。
以前の彼女は総合職であることにプライドを持ち,プライベートを会社に持ち込む一般職に厳しかったし,ハードワークを厭わなかった。そんな彼女だからこそ,年 長者より高給でも周囲から文句が出なかった。
しかし今回の一件で,うちの課の一般職や派遣社員は,彼女の考え方が「甘い」と反感を持ってしまったようである。表面上は彼女の愚痴を聞き,同情する態度を示 してはいるが,このままではいずれ彼女は孤立しかねない。
彼女だけ特別扱いするわけにもいかず,彼女の提案を受け入れるわけには到底いかない。
対立点の抽出 感情面にフォーカスできなかった
このケースでは「松本課長 vs 浜田さん」のコンフリクトに加え,「浜田さん vs 一般職の女性たち」というコンフリクトも起こしてしまった。
幼い子供を抱えながら,「これまで通り働くこと」について,松本課長と浜田さんの双方が十分イメージできていなかったし,事前の摺り合わせが不十分だった。
それに加え,感情面の葛藤が大きい。松本課長は職場のバランスや制度論にフォーカスし,浜田さんのキャリア形成にかけてきた感情面を汲んでいなかった。一方の 浜田さんは自分のことで頭がいっぱいで,職場の一般職の感情面まで斟酌していなかったのだ。
人事部門の役割 人事評価でバランスを
ダイバーシティを進めるうえで,今回のようなケースは今後増加していくだろう。
事例会社では,せっかく育成した人材が結婚や出産で流出しないよう取り組んでいるが,運用が悪いせいで葛藤を生んでいる。
キャリアを生かし,やりがいのある仕事をしつつ,家庭事情にも配慮してほしいというのは「良いとこ取り」として非難される結果となっている。
女性の活用を推進するなら,総合職,一般職を問わず,どちらも家庭と両立するよう配慮が必要だ。これまで通り働けないなら一般職に転換し,定型業務をさせるという極端な運用は,育成コストをムダにする。
今回のケースでなくても,高いスキルや経験を備えている人材は総合職として復帰させるべきだ。家庭との両立によってアウトプットが落ちるのなら,それは人事評価に適正に反映すればよい。もとより業績評価は,外部条件や本人条件といった中間項を斟酌しないのが人事評価の大原則だ。
働き方の多様性は認めつつ,アウトプットの差は遠慮せず処遇に反映すればよい。家庭事情を斟酌して人事評価を修正すると,今度は同じ総合職同士でバランスがとれなくなる。
ダイバーシティ推進には,人事評価でバランスをとることが重要だ。その点で人事部門は重要な役割を担っている。
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